【家具屋解説】アンティーク家具の色落ちを防ぐお手入れ方法
アンティーク家具のお手入れは、基本的に乾拭きだけでOKです。アンティーク家具はデリケートで、定期的なメンテナンスが必要というイメージがあるかもしれませんが、実際そんなことはありません。
アンティーク家具は、約100年もの長い年月を生き残ってきたもの。ワックスなどでの頻繁なメンテナンスが必要なら、ここまで長く使い継がれることはなかったでしょう。ほったらかしでも傷まないからこそ、価値あるアンティーク家具なのです。
こちらの記事では、日々のお手入れ方法や、特別なお手入れが必要なアンティーク家具はどんなものか、その際のメンテナンス方法について解説していきます。
アンティーク家具は、一度リペアが済んだものであれば、面倒なお手入れなしに使えます。ぜひ、アンティーク家具購入の参考にして下さい。
アンティーク家具の日々のお手入れは、乾拭きのみでOK!
アンティーク家具だからと言って特別なことは必要ありません。日常では乾いたタオルやクロスなどで乾拭きしてください。汚れがひどい時は薄めた中性洗剤でふき取り、すぐに乾いた布で丁寧に拭きあげてください。水ぶきを毎日していると次第に塗装が剥げてしまいますのでお気をつけください。
蜜蝋ワックス・オイルを使ったアンティーク家具のお手入れ方法を紹介
3ヵ月から半年に一回ほど、アンティーク家具専用のワックスをかけてあげると、表面の保護になり、ツヤもでて独特の風合いを保つことができます。まずは家具の表面のホコリや汚れを軽く落として下さい。その後、柔らかいタオルにワックスを適量とり、円を描くようにまんべんなく塗り込んで下さい。3分~5分ほど放置し、木になじませたら、乾いたきれいなタオルで拭きあげて完成です。
アンティーク家具の蜜蝋ワックスでのお手入れ方法
自然塗装を使ったテーブルの場合、塗装の塗膜の上にワックスを塗ることで水や熱、表面のかさつきなどを保護する効果があります。
家具にワックスを塗ってあげることで、表面がしっとりした手触りになり、ツヤがでて乾燥の防止にもなるので、ぜひ使ってみてください!
ワックスの主成分の蜜蝋(みつろう)と呼ばれる、ハチミツがベースになっているワックスは、アンティーク家具はもちろん、自然塗料を使った家具や、オイル仕上げの家具にも使えます。まずは、乾いたウエス(柔らかくて繊維が詰まった布のこと)で乾拭きして、ホコリを取り除きます。次に、ウエスにワックスを取ります。ウエスは毛羽立ちのない柔らかい布でもOKです。全体的にワックスを塗ったら、最後に、キレイなウエスで拭き上げます。こうすることで、塗りムラがなくなります。とても伸びがいいワックスを使っているので、初めての方でも、誰でも気軽にカンタンに塗ることが出来ます。ワックスを何回も塗り重ねていくにつれて、輪ジミが出来にくくなり、水の弾きもよくなってきます。ワックスは2~3カ月に1度、塗ってあげると、ツヤが出て表面がしっとりし、輪染みなども付きにくくなります。さらに水も弾くので、特に毎日天板を使う天然木のテーブルは、アンティーク家具に限らず、ちょっと時間のある時に、ワックスを塗ることをオススメします。ワックスは大きな缶に入っていますが、一般の家庭では、なかなか使いきることがムズカしく、また、ハチミツがベースになっているので、そのまま放置しておくと、堅くなって使いにくくなります。
以下の手順で作業を行なってください
- アンティーク家具の表面をウエスで乾拭きし、ホコリや汚れを落とす。
- 新しいウエスに蜜蝋ワックスを取り、木目に沿ってたっぷりと塗る。
- 新たなウエスを使って、余分な蜜蝋ワックスを拭き取る。
- 蜜蝋ワックスを磨くように、木目に沿って拭き上げれば完成です。
蜜蝋ワックスは、仕上げの拭き取りが足りないと、触った時にベタついたり、色移りしたりしてしまいます。サラサラの状態になるまで、しっかりと拭き上げてください。
アンティーク家具のオイルフィニッシュでのお手入れ方法
- アンティーク家具の表面をウエスで乾拭きし、ホコリや汚れを落としてください。
- 新しいウエスにオイルを含ませ、木目に沿って塗ってください。
- そのまま20〜30分ほど放置して、オイルを家具に浸透させます。
- 新たなウエスを使って、木目に沿いながらオイルを磨き上げてください。
- 半日〜1日ほど乾燥させて完成です!(使用するオイルによって乾燥時間が変わります)
オイルフィニッシュは、乾燥に時間を要します。完全に乾燥しないうちに、物を置いたり、触れたりすると、オイルが移ってしまうのでご注意ください。
また、オイルを含んだウエスは、オイル成分が酸化して、自然発火を起こす危険があります。使い終わった後は、ウエスを水に浸し、ビニール袋などに入れて、密閉してから捨てましょう。
本革製アンティーク家具のお手入れ方法
本革製のアンティーク家具は、本革の種類によってお手入れ方法が異なります。それぞれのお手入れ方法を紹介しますので、お手持ちのアンティークソファがどの種類か確認してからお手入れしてみてください。
まずはアンティーク家具の本革の種類を確認して下さい。アンティーク家具の本革は、染料仕上げのもの、顔料仕上げのもの、染色していないヌメ革のもの、と大きく3種類があります。
アンティーク家具の本革は、染料仕上げのもの、顔料仕上げのもの、染色していないヌメ革のもの、と大きく3種類があります。染料仕上げの本革は、革の表面をコーティングせず、革を染めて色をつけたもの。革の自然な表情や質感、経年変化が出ているのが特徴です。ヌメ革は、染色などしていないナチュラルな革です。
染料仕上げの本革とヌメ革は、どちらも革本来の質感を生かして仕上げたもの。色合いは違いますが、質感はよく似ています。ヌメ革はベージュ〜ブラウンのナチュラルな色合い、染料仕上げは黒やブラウン、オレンジ、緑などより幅広いカラーがあります。
顔料仕上げの本革は、革の表面を着色材入りの塗料でコーティングしたもの。本革の傷や汚れなどを隠し、均一でツヤのある質感に仕上げています。使い込んでも傷や汚れがつきにくく、経年変化が少ない仕上げです。
続いて、種類別に適切なお手入れ方法をご紹介します。
染料仕上げの本革・ヌメ革製アンティーク家具のお手入れ方法
染料仕上げの本革・ヌメ革製のアンティーク家具は、日々使用する中でオイルがだんだんと落ち、乾燥してくると、ひび割れや色あせなどが起きてしまいます。そのため、乾燥を防ぐためにも、半年〜1年に一度くらいのペースでオイルメンテナンスを行うのがおすすめです。
お手入れする際は、以下の手順で行ってください。
お手入れ方法
- 本革の表面についたホコリや汚れを落とすため、乾いたウエスで優しく拭いてください。
- 新しいウエスにオイルを含ませ、全体に優しく塗ります。ムラなく均一に染み込むよう、伸ばすように塗るのがコツです。
- 全体にオイルを塗ったら、新しいウエスでオイルを拭き取ります。ベタつきがなくなるまで拭いてください。
- 風通しの良い日陰に半日〜1日ほど放置し、オイルを馴染ませてください。
染料仕上げの本革・ヌメ革のアンティーク家具は、革本来の味わいが感じられる反面、傷や汚れがつきやすいという特徴があります。ちょっとした傷やシミは、オイルメンテナンスすることで周りと馴染んで目立たなくなりますよ。ただ、ある程度の汚れや傷などは、その家具の持ち味として楽しむ心持ちも必要です。また、染料仕上げの本革・ヌメ革のアンティーク家具は、クリーナーなどを使ってお手入れすると、逆にシミになってしまうこともあるのでご注意ください。どうしてもクリーナーを使いたい場合は、目立たない場所で試してから使いましょう。
顔料仕上げの本革製アンティーク家具のお手入れ方法
顔料仕上げの本革製アンティーク家具は、すでに表面がコーティングされているので、汚れがついたとしても乾拭きや水拭きできれいになります。オイルなどでのお手入れは不要です。
顔料仕上げの本革でも、お手入れのしすぎは逆に塗膜を傷めてしまうことにつながります。基本的には乾拭き、汚れた時には水拭きのみでお手入れするだけにしましょう。
もし水拭きで落とせない汚れがついてしまった場合は、中性洗剤を水に薄めて布に含ませ、優しく拭いてください。汚れが落ちたら、洗剤が残らないよう水拭きし、最後に乾拭きして水分を拭き取りましょう。
また、顔料仕上げの本革製アンティーク家具は、中性洗剤ではなく、革用クリーナーを使っても大丈夫です。念のため、まずは目立たないところで試し拭きしてください。
アンティーク家具の色落ちを防ぐ方法5選
こちらの項目ではアンティーク家具の色落ちを防ぐための方法を紹介していきます。
直射日光を避ける
アンティーク家具は長時間の直射日光にさらされると、色あせや変色が生じる可能性があります。家具を配置する際には、直射日光が当たらないように気を付けましょう。
家具の仕上げやコーティング
家具に仕上げやコーティングを施すことで、木材を保護し色落ちを防ぐことができます。しかし、アンティーク家具に対しては、元の状態を損なわないように慎重に行う必要があります。専門家の意見を取り入れながら検討してください。
定期的なお手入れ
定期的なお手入れが大切です。柔らかい布でほこりを拭き取り、汚れが付いた場合は適切な方法で清掃を行います。
専門家の助言を得る
最も安全で確実な方法は、アンティーク家具の色落ち防止に関する助言を専門家から得ることです。家具の種類や時代によって適したケア方法が異なるため、専門的意見を聞いて正しい方法を確認して下さい。
まとめ
リペアが済んだアンティーク家具は、乾拭きでお手入れするだけで、何十年もきれいな状態を保てます。ワックスやオイルでお手入れしなくても、アンティーク家具のコンディションが悪化することはありません。アンティーク家具だからといって固く身構えずに、もっと気軽にアンティーク家具を取り入れてみて下さい。
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